ドッグフードの選び方
How to Buy the Dog Food
大手食品メーカーの物をはじめ、国産・輸入を含めると幾千もの種類のあるドッグフード。わたしたちの毎日の食事が多種多様であるように、それぞれの愛犬に合ったフードを選ぶことは飼主にとっての責任ともいえるでしょう。 愛犬がいつまでも健康で長生きできるよう、今一度見つめなおしてみたいドッグフードのこと。ここでは、選び方のポイントをピックアップしてご紹介いたします。
ドッグフードの表示を確認しましょう
ペットフードの安全性を確保するため、平成21年6月1日から市販のペットフードには、愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(通称:ペットフード安全法)によって、製造業者名や賞味期限などの表示が義務付けられました。 パッケージやラベルには、必ず表示されている項目ですので、フードを選ぶ際の目安として購入・給餌する前には、必ず目を通すようにしましょう。
【名称・目的】 | ドッグフードの名称が書かれています。それぞれの動物によって異なる栄養バランスが求められるため、【犬用(ドッグフード)/猫用(キャットフード)】など、どの動物に与えるものか明記することが義務付けられています。 また、「どんな用途」で「どのような成長段階」に与えるのか記載されています。用途には、日常用いられる「総合栄養食」のほか「間食(おやつ)」「副食・おかず」「栄養補助食」「療法食」などの種類があります。 成長段階は「幼犬期」「成犬期」「高齢犬」「妊娠・授乳期」「全成長段階(オールステージ)」など、犬の年齢や状態によって区別されています。 |
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【内容量・フードの与え方】 | 製品の正味量とともに、どのくらいの量をどのように与えれば良いか記載されています。多くの場合、1日に与える量や回数が書かれています。 ただし、あくまでも目安として表記されていますので、体調や運動量によって、与える量や回数を調節する必要があります。 |
【賞味期限】 | ヒトの飲食物と同様に賞味期限が設定されています。温度や環境など指定された保存条件のもと、未開封で保存できる期限をいいます。 その期間内は、栄養価や風味を変わらず与えることができますが、開封した場合は特記事項を参考にするか、できるだけ早く使い切ることがすすめられます。 |
【成分表】 | フードに含まれている主要な栄養素や水分量が記載されています。多くの場合カロリーも表示されているため、食生活や健康バランスの管理の目安となります。 |
【原材料名】 | フードに使用されている原材料や添加物の名称が、配合量の多いものから表示されています。お肉(タンパク質)が多いのか、穀物が多いのか一目瞭然です。原則として、製造者・販売者には、すべての原材料を記載する義務があります。 |
【原産国名】 | フードの最終加工がどの国でされたのか(国産品なのか輸入品なのか)記載されており、ドッグフード選びの目安となります。 |
【事業者情報】 | 事業者名または製造者、輸入者または販売業者名の記載が義務づけられています。製造・販売責任を明確にするとともに、品質不良や質問事項などがあった場合に対応される窓口が記載されており、フード選びにおける安心・安全に関する、ひとつの目安となります。 |
犬の体に良い脂、悪い脂
ヒトと同じように、食べ物に含まれる油脂は、その種類にかかわらず脂肪酸として分解され、体内のあらゆる場所へと送られます。 どんな脂でも同じように扱われ、非常に便利な体のしくみですが、質の悪い脂であっても同じように体内を巡るため、トラブルのもとになることがしばしばあります。
たとえば酸化した脂は、有害なはたらきをするとともに、周りのもの(食材など)の酸化を促進し、相乗効果でフードの風味や品質に悪影響を及ぼします。 また、一時話題となったトランス脂肪酸は、使い勝手の良さから様々な食品に使われてきましたが、ヒトや犬の心臓や血管に悪影響を与え、 病気や死亡のリスクへと繋がるとわかり既にアメリカ等では使用が禁止されています。(参考:農林水産省によるトランス脂肪酸の説明)
そのため、新鮮な油脂を使用することが求められますが、そのなかで特に気を配りたいのが油脂の粘度(粘り気)です。 粘度が高すぎると、脂や血液の流れが悪くなり、毛根にダニや菌が繁殖したり、体調不良の原因にもなります。 油脂は、温度により粘度(粘り気)が変わるため、排出が良くなる融点の低い油脂、 つまり体温ほどの温度になった時、サラサラしているものを摂取することが理想的です。
その考えに基づくと、粘度の低い植物性の油と動物性の脂では、 植物性のほうが理に適っていますが、肉食寄りの犬にとって、それだけでは良い状態を維持できません。 たとえば、動物性油脂のなかでも粘度が低いとされる体温が低い動物に注目し、「馬肉」に含まれる脂は体に良いといえます。 恒温動物以外でいえば、体温が海水温の魚、特に青背の魚の脂はより理想的な油脂となります。 ただし、これはあくまで油脂にこだわった話で、他の要素を考えれば、牛肉や鶏肉などバランス良く配合したほうが良いでしょう。 これらを考慮したフードは、膿皮症や脂漏性湿疹、アカラスなどの皮膚トラブルの軽減にも貢献します。
また、なかには再生油を使用したフードも存在します。これらは、既に酸化が進んでしまっているため、 エトキシキンやBHA等の酸化防止剤で酸化を遅らせています。酸化した油はどんな脂でも粘度が上がってしまうため、避けたほうが良いでしょう。